神戸ルミナリエ4年ぶりに開催
コロナで2020年から2022年まで開催中止となっていた神戸ルミナリエが、約4年ぶりとなる2024年1月19日、「神戸、未来に輝く光」をテーマに開会しました。会期は2024年1月19日(金)から 1月28日(日)まで。
中止となった2020年から2022年は、代替イベントが行われました。
昨年までは、12月の第1金曜日から10日間の日程で開催されていましたが、今年は1月17日に開催される「阪神・淡路大震災1.17のつどい」が終わったあとの、最初の金曜日から10日間の日程で開催されます。
また、旧居留地と東遊園地で開催されていたものを、今年はメリケンパークにも「フロントーネ(玄関装飾)」、「ガレリア(光の回廊)」を設置し、有料化しています。
その他、東遊園地には「スパッリエーラ」や「カッサアルモニカ」、旧居留地各所に「アーチ型作品」、「ロソーネ」、「カンデラブリ」、「光の看板作品」などを、メリケンパーク、東遊園地、旧居留地の10か所で分散展示しています。
メリケンパークから東遊園地までは約1.5km。歩いて移動できる距離です。旧居留地内の作品をすべて回っても2kmほどなので、メリケンパークから旧居留地をゆっくり散策しながら東遊園地まで歩いてもいいと思います。
メリケンパーク以外の会場はすべて無料で入場できます。
神戸ルミナリエの点灯式と神戸ルミナリエハートフルデー
神戸ルミナリエの点灯式は例年通り、旧居留地にある三井住友銀行前で行われ、阪神淡路大震災で亡くなられた方々へ「黙祷」を捧げ、犠牲者の追悼と神戸の復興を願い、歌い継がれてきた「しあわせ運べるように」を合唱し、神戸ルミナリエ希望の鐘(鎮魂の鐘)の音とともにルミナリエが点灯しました。
1995年、阪神淡路大震災で亡くなられた方々への慰霊と鎮魂の「送り火」としてはじまった神戸ルミナリエ。翌年からは、都市の復興・再生への夢と希望を託して。そして、現在は、震災の記憶を後世に語り継ぐとともに、神戸の希望を象徴する行事とし定着しています。
点灯式では、震災を経験していない子どもたちが参加しますが、阪神・淡路大震災から29年が過ぎた今でも、兵庫県各地で様々な震災関連行事が行われ、後世に語り継がれています。
神戸ルミナリエが始まった本来の意味をこの点灯式で見ることができます。
神戸ルミナリエハートフルデーも例年通り開催日の前日に行われています。
2020年から2022年のルミナリエ代替イベントでは、「1.17希望の灯」のそばで、鎮魂と慰霊のための竹灯籠が灯され、阪神・淡路大震災の記憶を風化させないよう、震災を語り継ぐためのイベントが催されました。
AR(拡張現実)」を使った幻想的な空間を体験
入場券に記載されたQRコードをスマートフォンやタブレットで読み込むと、「AR(拡張現実)」を使った幻想的な空間を体験できます。このAR体験は、今回初の導入となり、メリケンパークの有料ゾーンでのみ体験可能で、光の壁掛け「スパッリエーラ」がスマートフォンやタブレットの画面内に出現。内側から見るだけでなく、下をくぐり抜けたり、外側から見たりと、楽しみ方もいろいろ。スマートフォンやタブレットの画面を通してARで幻想的な体験が味わえます。
さらに、スマートフォンやタブレットをかざすと、過去3年間のルミナリエ作品「ガレリア」が出現する「どこでもルミナリエ」も会期中に体験できます。「どこでもルミナリエ」は、メリケンパーク会場以外の空間でも使用できるため、自分の好きな場所でスマートフォンやタブレットを通してルミナリエを鑑賞でき、写真に残すこともできます。
神戸市:特別鑑賞券で楽しめるルミナリエAR体験
会場を分散し混雑が緩和
会場を10か所に分け、メインの作品を展示するメリケンパークを有料化し入場者数を1時間あたり5000人に制限したことで、随分混雑が緩和され、行列に並ぶことなくゆっくりと鑑賞することができました。
以前は、元町から会場まで長い行列ができ、会場まで1時間以上も並ぶことがありました。メインとなる会場が東遊園地とメリケンパークに別れたことで人手が分散し、メリケンパークの有料ゾーンの入り口は多少混雑するものの、数分で会場内に入ることができました。
メリケンパークの有料ゾーンの入場時間は、17:30~18:30、18:30~19:30、19:30~20:30、20:30~21:30の4部制になっており、前売券が500円、当日券が1,000円です。前売券は、前日の23:59まで購入可能です。
※時間帯ごとの販売数は、前売り券、当日券合わせて5,000枚です。
有料ゾーンへは、購入したチケットに記載された時間に入場することができます。毎時30分頃には、その時間帯のチケットを持った観覧者の行列ができますので、15分ほど時間をずらせばそれほど待ち時間もなく入場できると思います。
退場時間が来ても、退場を促される放送などもありませんので、時間内に入場すれば退場時間を気にすることなく観覧できると思います。
※公式WEBサイトには退場についての記載がありませんので、一度入場すれば、消灯まで滞在することもできるのかもしれません。(しらんけど!)そうだとすれば、毎時30分頃が一番混雑するので、15分から30分程度時間をずらして入場するのが、比較的混雑を避けられそうです。
今までと大きく異なる点は、メリケンパーク会場では指定の順路がなく自由に行動できることです。
昨年までは、会場内は一方通行でしたので、人波に流されながら旧居留地の順路を進みました。しかも、ガレリア内では立ち止まっての写真撮影も許されていませんでした。今年は、順路が指定されておらず、入場制限されているため、会場内はかなりゆとりがあるので、好きな場所へ行ったり来たりできます。
なお、有料ゾーン内では飲食ができませんので、フロントーネとガレリアをくぐって写真を撮るだけなら30分もあれば十分見て回れると思います。飲食ブースやキッチンカーは有料エリアの外にあります。
メリケンパークは、海に面していて風のあるときにはかなり寒くなりますので、暖かくしてお出かけください。
また、以前のような大規模な交通規制がないため、周辺の駐車場が利用しやすくなりました。平日なら駐車場も空いていると思います。
「KOBEディライト・ファウンテン」や音楽ライブなどのイベントも開催
メイン会場となるメリケンパークや東遊園地には、「KOBEディライト・ファウンテン」が開催され、飲食ブースなども設置され、花時計広場ではカッサアルモニカを舞台に音楽ライブなどが催されます。
「KOBEディライト・ファウンテン」は、兵庫県内の食品企業などでつくる実行委員会が主催。参加企業は、シュゼット・ホールディングス、UCC上島珈琲、エム・シーシー食品、剣菱酒造、ロック・フィールド、東洋ナッツ食品、ドンク、老祥記、六甲バターで、それぞれがブースやキッチンカーを出展し、軽食やホットワイン、日本酒、豚まん、焼き菓子などを販売しています。
メリケンパーク会場のルミナリエ
2019年までは、東遊園地に屋台やキッチンカーが並んでいましたが、通路が狭く混雑に拍車をかけていました。メリケンパークは、東遊園地よりもはるかに広く、屋台やキッチンカーの行列に煩わされることなく移動できます。こんなにゆったり会場を散策できるのは、ルミナリエが始まって以来ではないでしょうか。
メリケンパークには、ポートタワーや海洋博物館などのランドマーク以外の大きな建物がないので、周りの光に邪魔されることなくルミナリエのイルミネーションがくっきりと浮かび上がります。
メリケンパークの緑地通路に設置された「フロントーネ(玄関装飾)」は幅40m、高さ15m。そこから70mの「ガレリア(光の回廊)」が続きます。
旧居留地の中町通に設置されていたときには、道路幅の制限があり、幅が10m程度しかありませんでしたが、メリケンパークではそれよりも大きな作品を設置できるようになりました。ただ、「ガレリア(光の回廊)」は従来270mあったものが、70mに短縮されています。規模は縮小されましたが、それでも「ガレリア(光の回廊)」の中を通り抜けるのは迫力があります。
メリケンパークは東遊園地よりも広いので、収益が改善すれば今後規模を拡大する可能性もあります。以前、東遊園地に設置されていた巨大な円形彫刻のスッパリエーラを配置するスペースは十分にあります。
旧居留地に設置されていたときの1/4程度の長さしかありませんが、これでも迫力は十分です。
旧居留地に設置されていたときには、周りを背の高いビルに囲まれていましたが、メリケンパークではそのようなビルがありません。神戸ポートタワーや海洋博物館との組み合わせは最高ですね。これぞ「神戸ルミナリエ」って感じです。ただ、ここは海沿いなので寒波が襲来すると風が強く、とても寒いです。
有料ソーンは、高さ1mほどのフェンスで囲まれていますが、エリア外からでもルミナリエを楽しむことができます。有料エリアで観覧したあとは、会場の屋台やキッチンカーで温かい飲み物や食べ物を楽しみながらルミナリエを見ることができます。
メリケンパーク内にあるスターバックスは、ルミナリエが設置されている側の視界が大きく開けていますので、暖かい室内で温かい飲み物を飲みながらルミナリエを鑑賞することができます。スターバックスの営業時間は、22:00まで。
東遊園地・花時計広場のルミナリエ
東遊園地の「スパッリエーラ」は従来の円形だったデザインが、直線的なデザインに縮小されています。今年のデザインは、「スパッリエーラ」の両端に短い「ガレリア(光の回廊)」が設置されています。
2015年に強風でルミナリエ作品の一部が倒壊した事故以来、ルミナリエを固定するワイヤーが太くなったのか、目立つようになりました。
東遊園地の花時計広場では、「KOBEディライト・ファウンテン」が開催されています。飲食ブースなどが設置され、カッサアルモニカを舞台に音楽ライブなどが催されます。
旧居留地のルミナリエ
旧神戸居留地十五番館
神戸ルミナリエ開催概要
日程:2024年1月19日(金曜)~1月28日(日曜)
時間:薄暮~21:30
場所:メリケンパーク、東遊園地、旧外国人居留地
地図:第29回 神戸ルミナリエ 2024 会場の地図
料金:メリケンパーク会場 前売券500円、当日券1,000円。その他の会場は無料。
アクセス:
東遊園地 JR、阪神、阪急各線「三宮駅」から徒歩10分。神戸市営地下鉄湾岸線「三宮花時計前駅」下車徒歩5分。
メリケンパーク JR・阪神「元町駅」、阪急「花隈駅」、市営地下鉄海岸線「旧居留地・大丸前駅」から徒歩約15分、JR「神戸駅」からハーバーランド経由で徒歩約20分。市営地下鉄海岸線「みなと元町駅」から徒歩約10分。
駐車場:会場周辺各所に有料駐車場あり
公式サイト:第29回 神戸ルミナリエ 2024
情報サイト:震災復興への希望を託す「神戸ルミナリエ」4年ぶりに開幕
入場券の購入方法
前売券 オンライン(ローチケ、tabiwa by WESTER)、またはアプリ(KANSAI MaaS)、店頭(ローソンまたはミニストップ店頭の「Loppi ロッピー」)で前日の23:59まで購入可能。
当日券 オンライン(ローチケ)での販売のほか、会期中の各日15:00からメリケンパーク会場にて販売。会場での販売場所はメリケンパーク内の海洋博物館東側。