リクガメ(アカアシガメ)を3頭飼ってみた

行きつけのペットショップでリクガメを仕入れたという連絡を頂いたので見に行ってきました。

昔からヘビやトカゲなどの細長い生き物以外の爬虫類や両生類が好きで、ペットショプに爬虫類や両生類が入荷するたびに見に行っていたのですが、今回は南米に生息する「アカアシガメ」という多湿を好むリクガメが入荷していました。

アカアシガメは南米に生息するリクガメで、日本の梅雨から夏の高温多湿でも飼いやすいリクガメと言われています。

今回入荷したリクガメは、生後6ヶ月で甲羅の長さは10cmほどの可愛らしいリクガメです。

アカアシガメ
アカアシガメ(イエローフット・生後6ヶ月・体長約10cm)

アカアシガメについて

アカアシガメは、南米に生息するリクガメで、甲長30cmから50cm、体重10kg、寿命は30年から50年と言われています。

南米の草原から森林地帯、また、熱帯雨林のアマゾン流域までの広い範囲に生息しており、比較的湿度の高い環境を好むことから、日本の高温多湿の環境でも飼いやすいリクガメの一つとされています。

アカアシガメは、南米の広い範囲に生息することから、地域的な特徴の違いも大きく、「チェリーヘッド」、「イエローフット」、「レッドフット」などいくつかの種類があります。また、「ドワーフ」と呼ばれる体長が30cmを超えない種類もあるのだそうです。

少し前に「ティーカッププードル」が流行りましたが、成犬になると普通サイズのトイプードルになったという話をよく聞きます。「ティーカップ」というだけで価格が100万円以上の高値で販売されていたのを覚えています。今でも50万円から80万円ぐらいで販売されていますが、普通サイズのトイプードルになってしまえば詐欺にあったような気分になってしまいます。

ドワーフアカアシガメも然り!

飼ってみなければどのくらいの大きさになるのかわからないそうです。

今回入荷したアカアシガメはドワーフではなく、普通サイズのイエローフットだそうで、おそらく、甲長が40cm以上にまで大きくなる種類だということです。

アカアシガメ
アカアシガメ(イエローフット・生後6ヶ月)

アカアシガメの飼育環境

アカアシガメの飼育環境は、ケージ内の温度は28℃から30℃、湿度50%以上の環境で飼育が可能で、熱帯雨林の高湿な環境でも生息していることから、日本の高温多湿の梅雨から夏の環境にも順応するそうです。

日本の冬は低温乾燥になりますが、ケージ内の温度を25℃以上に保てれば、湿度はそれほど神経質にならなくてもよいそうですが、乾燥状態が続くと体調をくずすこともあるとか?

どうしても乾燥が気になるのであれば、霧吹きなどで床材を湿らせるなどすれば問題ないそうです。

アカアシガメの多頭飼育

色んな理由で購入をためらっていたのですが、店長のはからいで1ヶ月の飼育体験をさせてもらえることになり、3匹のアカアシガメを我が家にお迎えしました。

このお店では飼育体験は行っていないのですが、昨年6月に「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正され、動物の維持管理方法や販売方法などが変更になり、店舗の改装工事が必要になったとのことで、店内の小動物を常連客に預かってもらっているそうです。

飼育体験のあと、継続して飼いたくなったときには、30%オフで譲ってもらえる特典付きです。

このお店は、犬、猫、小動物、鳥類、熱帯魚、水草などいろいろな種類のものを扱っており、昔から熱帯魚や水草をこのお店で買っていました。

水槽もリニューアルするということなので、小型の熱帯魚やエビ、水草をはじめ、中古の水槽やLEDライト、外部ろ過フィルターなどの水槽用品を頂きました。

で、そのついでに「アカアシガメ」3匹をお預かりすることになりました。

「リクガメ以外にも好きな動物を持って帰って!」と言われたのですが、個人的な事情で、「細長いもの」、「足のないもの」、「足が5本以上あるもの」、「鳴くもの」、「走り回るもの」、「飛ぶもの」、「散歩が必要なもの」、「家財道具を傷つけたり汚したりするもの」、「トイレのしつけができないもの」は無理なので、リクガメを選びました。

条件に「鳴くもの」と書きましたが、リクガメって「ギュー」とか「キュー」とかって鳴くんです。なかなか可愛い鳴き声です。リクガメが鳴くのって飼ってから初めて知りました。

アカアシガメのケージ

アカアシガメをお迎えするにあたり90cmの水槽とLED照明を頂いたのですが、幅1400mm×奥行き650mmのサイズのケージを用意しました。

リクガメのケージ 夏はオープンで冬は断熱シートで周囲を囲います。
リクガメのケージ 夏はオープン、冬は断熱シートで周囲を囲います。

店長はこのサイズのリクガメだと90cmぐらいの水槽でも多頭飼いは十分だと言っていましたが、適度な運動が必要だと思ったので、できるだけ広いスペースを確保しました。

アカアシガメ
なぜかいつもこの角で場所の取り合いをします。場所取りに負けると押しのけられてひっくり返ったりします。ひっくり返った亀を他の亀が助けるという話を時々聞きますが、ここにはそのような亀はいません。助ける亀が1匹でもいるとそれを見た他の亀が覚えて、代々助けるという行動が受け継がれていくのではないかと思います。ここには、助けるということを知らない亀しかいないので、生涯、他の亀を助けるという行動はしないのではないかと思います。

ケージと言っても、木枠を組んだだけの簡単なものです。床にはビニールカーペットを敷いて、その上にペットシーツを敷いています。

3匹いるとはいえ、甲羅の長さが10cmほどのリクガメには広すぎますが、それでも所狭しと隅から隅まで歩き回っています。

大人になればこのケージサイズでも1匹を飼育するのがやっとだと思います。ケージの中で向きを変えるには、奥行きが体長の1.5倍はほしいところです。3匹のリクガメを飼うには、最低でも今回用意したケージの2倍以上の面積が必要になります。

猫のようにトイレなどのしつけができれば放し飼いでもいいのですが、所構わず用を足すのでそういうわけにも行きません。部屋全体にビニールカーペットを敷けば放し飼いもできそうですが、短期間の飼育なのでそこまではしません。

飼い始めてからわかったことですが、フンやおしっこは、餌を食べているときか水を飲んでいるときにすることが多いです。なので、餌入れと水入れの容器はプラスチック製の大きなトレーに乗せておくと、糞尿で床材を汚さずにすみます。

また、リクガメに温浴をさせると排泄するという情報があります。排泄は毎日のことなので、温浴を毎日するというのはかなりの手間です。更に、水中生活をしないリクガメにはストレスになるかもしれません。

でも、そのような習慣を知っていると、放し飼いも可能かもしれません。

リクガメを飼育するには、ケージ以外にも「保温器具」、「紫外線照明」、「シェルター」などが必要で、特に、保温器具や紫外線照明は故障に備えて複数の設置が必要です。すべてを購入すれば数万円の費用がかかりますが、今回はお店からお借りしました。

これから夏に向けて暑くなってきて、リクガメには快適な季節になりますが、人には不快な季節です。人のためにエアコンで室内を冷やし、リクガメのために保温器具でケージを温めるという、正反対の温度管理が必要になるので、電気代がいくらかかるんだろうかと心配になります。

でも、20℃以上で飼育が可能という情報もありますから、夏の冷房で20℃まで冷やすことはないので、冷房の効いた部屋でも、直接冷房の冷気が当たらなければ加温の必要はないのではないかと思います。

冬はケージ全体を断熱シートで覆い、加湿器を設置すれば温度や湿度の管理ができます。

ケージはリビングテーブルの下に設置してあるので、こたつのようにリビングテーブルの周りを断熱シートで覆えば、冬の温度管理も完璧です。

このリビングテーブルは、南向きのベランダに面した窓際においており、テーブルの上には、熱帯魚の水槽や水草水槽、観葉植物を並べており、リビングテーブルとしては使っていないものです。

餌入れや水入れの掃除はベランダで水洗いしています。大きなビニールカーペットもベランダで広げて水洗いができるので管理は楽です。

リクガメの屋外飼育

一戸建ての場合、庭に小屋を作って庭で放し飼いにしてもいいかもしれません。

香美町香住区にある「餘部駅(余部鉄橋 空の駅)」の駅長は、ケヅメリクガメの「そらちゃん」が努めています。2018年から特別に作られた駅長室で勤務していますが、基本的に屋外飼育です。

餘部駅(余部鉄橋 空の駅)の駅長室
餘部駅(余部鉄橋 空の駅)の駅長室。中にはケヅメリクガメの「そらちゃん」がいます。

香美町香住区は日本海に面した冬は積雪のある寒い地方です。寒いときでも外に出て散歩をすることもあるそうです。短時間であれば冷気に触れても問題はなさそうです。そんな寒い所でも屋外飼育ができるのですから太平洋に面した温かい地方なら、屋外飼育も十分可能だと思います。

温かい地方と言っても、冷気を遮断するちゃんとした小屋で、冬にはヒーターなどの保温器具や加湿器は必要になります。屋外なので室内で飼うよりも電気代がかなり高くなりそうです。

アカアシガメの日光浴

リクガメには日光浴が必要とされていますが、午後の数時間はケージに太陽の光が差し込みますので、日光浴不足の心配はありません。また、温かい日にはベランダへ出して散歩をさせて運動不足の解消ができます。

ベランダでの日光浴はできるだけ目をはなさないようにした方がいいです。動き回っているうちにひっくり返ってしまうことがあります。いくらリクガメと言っても、ひっくり返ったまま長時間日光にさらされていると表面温度が上がりすぎて体長を崩してしまうかも知れません。

また、真夏の暑いときにはベランダの床は40℃を軽く超えてしまいます。気温が低くても床が高温になっていることもありますので、床面の温度にも気をつけます。真夏には遮光ネットをかけて影になる部分を多く作るといいと思います。

3匹のカメのうち一番小さいカメが特に活発に動き回り、他のカメに乗り上げてひっくり返ることがよくありますので目がはなせません。

この一番小さいカメは、好奇心が旺盛で人懐っこい性格です。毎朝、決まった時間にエサをあげるのですが、エサの準備をする音がするとシェルターから真っ先に出てきてそばに寄ってきます。

2番目に大きいカメは臆病者で、いつもシェルターにこもっていてなかなか出てきません。手を伸ばすとすぐに頭を引っ込めます。

1番大きなカメはその中間というところです。

カメにもそれぞれ性格があるようです。

ベランダで日光浴をするアカアシガメ
ベランダで日光浴をするアカアシガメ

アカアシガメのエサ

エサは、野菜や野草を中心とした草食性です。

また、人工フードにもなれやすく、室内での飼育にありがちな日光浴不足のためのサプリメントの入ったフードも食べてくれます。

3匹並んで食事中のアカアシガメ
3匹並んで食事中のアカアシガメ

ただし、シュウ酸やゴイトロゲンを多く含む「ホウレン草」、「レタス」、「モロヘイヤ」、「たけのこ」、「キャベツ」、「ブロッコリ」などは、与えすぎに注意します。

シュウ酸やゴイトロゲンは、他の食物に含まれる特定の成分を摂取することで体外に排出されやすくなると言われています。上記の食物を与えないのではなく、要は、上記の食物を与えても、バランスの取れた食事を心がけていると、それほど心配することはないそうです。

小松菜をかじるアカアシガメ
小松菜をかじるアカアシガメ。他のカメは人工フードよりも美味しそうだなと見ています。

飼い主の寿命とアカアシガメの寿命、どっちが早い?

寿命の長い動物を飼育するのは、若いうちに決断する必要があります。

30歳を超えてからだと、飼い主の寿命が早いか、ペットの寿命が早いかということになり、ペットの飼育を全うできない可能性があります。

また、飼い主が高齢になると重たいリクガメのお世話が大変になります。

甲長が20cmまでで、寿命が20年ぐらいなら飼ってもいいのですが、50年も生きるとなると、このまま飼育してもいいのか考えてしまいます。

タイトルとURLをコピーしました