私事ですが、2020年8月11日に顔面神経麻痺を発症しました。顔の右側が全く動かなくなりました。
顔面神経麻痺は、顔の表情筋が動かなくなる病気で、顔の表情を動かす神経は左右独立していますので、多くの場合、右側か左側のどちらか一方に症状が出ます。
症状の程度は、口角やまぶたに違和感を感じる程度の軽症から、顔の半分が全く動かなくなり、味覚、聴覚、臭覚にまで異常がでる重症まで、その症状は人それぞれです。
私の場合には、右側の表情筋が全く動かず、舌の動きや味覚、聴覚にも異常が出ており、重症と診断されました。
顔面神経麻痺を発症する主な原因は、過労やストレスにより、体内に潜伏していたウイルスが活性化し、顔面神経に感染して神経が損傷する病気で、ウイルスの違いによって、「ベル麻痺」、「ラムゼイハント症候群」と呼ばれています。
顔面神経麻痺の原因と患者数
顔面神経麻痺の原因の80%が、ウイルスによる「ベル麻痺」、「ラムゼイハント症候群」とされています。
ウイルスが原因で顔面神経麻痺にかかった患者のうち80%は完治します。残りの20%は重症の場合で、拘縮や痙攣などの後遺症が残ります。
顔面神経麻痺の年間の発症率は人口10万人当たり20~30人程度と報告されており、日本では、年間3万人程度が発症するとされていますが、軽症の場合、数日で症状が改善し完治する場合もあるので、病院を受診しない罹患者もいることが予測され、実際の発症数はもう少し多くなるそうです。
顔面神経麻痺の場合に受診する科は何科?
重症の顔面神経麻痺の治療は、発症から7日以内がゴールデンタイムと言われており、早ければ早いほど治療の効果が出やすいと言われています。
顔面神経麻痺という病気は、あまりその名前を聞いたこともなく、身近に顔面神経麻痺になったという友人や知人もいないので、情報に乏しく、早期に自身で判断できないので、病院に行かなければ!と思っても、何科を受診すればいいのか迷うと思います。
ネットで症状を検索すればすぐに解答が得られますが、顔面神経麻痺の場合、耳鼻咽喉科が専門科になります。
顔面の麻痺に加え、手足のしびれ、言語障害、意識障害などの神経障害がでている場合には、脳出血や脳梗塞などが考えられますので、それらの症状がでている場合には、救急車を呼ぶほうがいいと思います。
そのような神経障害がなく、顔だけに異常がある場合には、顔面神経麻痺の可能性が高いので、脳神経外科ではなく、耳鼻咽喉科の受診が適切です。
顔面神経麻痺の治療
ウイルスが原因となる顔面神経麻痺の場合、初期の治療には、ステロイドの点滴と抗ウイルス薬が有効とされています。
顔面神経麻痺が疑われる場合には、耳鼻咽喉科が専門科となるので、耳鼻咽喉科を受診します。
重症の場合には、発症直後の1週間から2週間程度、毎日点滴を打つ必要があるため、休診日のない大病院の耳鼻咽喉科での受診をおすすめします。
また、回復期にはリハビリを行い、後遺症が出た場合には、形成外科で診察が受けられるなど、総合的に考えると、耳鼻咽喉科、リハビリ科、形成外科のある大病院のほうが安心できます。
重症の場合には、手術が必要になる場合もあります。重症と診断されたのなら、かかりつけの耳鼻咽喉科で、手術実績の多い顔面神経麻痺の専門外来を紹介してもらいます。
顔面神経麻痺の手術は、顔面神経減荷術と呼ばれるもので、中耳や内耳のそばを通る顔面神経を圧迫している骨を削る手術です。
神経に密接した骨を削ること、手術する部位が中耳や内耳の音を感じる骨のそばであることから、手術の後遺症として、耳鳴り、難聴、めまいなどが生じるリスクがあります。
顔面神経麻痺は、患者数が少なく、その中でも手術に至る重症患者はもっと少なくなります。
専門外来のある病院でも年間数十件程度しか手術実績がありません。
市立病院、県立病院、大学病院などの大病院でも、専門外来がなければ、手術実績はほとんどないかもしれません。
したがって、手術をする可能性がある重症の場合には、手術実績の多い専門外来のある大病院を紹介してもらうと、手術をする場合でも、後遺症などのリスクを軽減でき、安心できます。
顔面神経麻痺闘病記
闘病記と言っても大した内容にならないとは思いますが、その時々の症状や治療内容などを、治療が完了するまで日記形式で綴っていこうと思っています。
このブログをお読みになった方へのお願い
顔面神経麻痺は、早期に適切な治療が必要で、重症の場合には手術も早期に決断しなければなりません。
重症の顔面神経麻痺の治療は、発症から7日以内がゴールデンタイムと言われており、早ければ早いほど治療の効果が出やすいと言われています。
このブログを見てくださる方は、検索でたどり着いた方がほとんどだと思います。
このブログをお読みになった方の中で、まだ受診しておらず、自分の病気を確かめようと不安になり、症状を検索してここにたどり着いた方は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しください。
顔面神経麻痺の専門科は「耳鼻咽喉科」です。
そして、重症の場合には専門外来のある大きな病院を紹介してもらってください。
症状によって治療過程は異なりますが、中等症以上の場合には、リハビリや手術が必要となる場合があります。また、後遺症が残った場合には、形成外科での治療が必要となる場合があります。
したがって、耳鼻咽喉科、リハビリ科、形成外科を併設した大きな病院のほうが、各科の連携が取りやすく、治療もスムーズに進みます。
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