先日紹介した「布引の滝」と「みはらし展望台」からさらに、15分ほど登っていくと「布引ダム(布引五本松堰堤)」と「布引貯水池」があります。
布引の滝」新神戸駅からわずか15分の神戸の名瀑
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「布引貯水池」は、生田川、布引の滝の上流に位置し、六甲山から流れる生田川水系の布引谷川を水源とする水を「布引ダム(布引五本松堰堤)」で堰き止めてできた人工池で、約60万立方メートルの水が溜められています。この水量は、神戸市で1日に使われる水の平均的な量になります。
布引ダムは正式には「布引五本松堰堤(ぬのびきごほんまつえんてい)」といい、神戸水道創設時の水道施設として建造され、1900年(明治33年)に完成しました。
重力式コンクリートダムとしては、日本最古のダムとなり、建設当時は日本で最大の洋式ダムでした。
布引ダム(布引五本松堰堤)は、国の重要文化財に指定されており、「近代水道百選」、「ダム湖100選」にも選ばれ、布引渓流は「名水100選」、布引の滝は「日本の滝100選」に選定されています。
2006年には「猿のかずら橋」、2007年には満水放流時にダム直下に見える「五本松かくれ滝」が新たな観光スポットとして加わりました。
「猿のかずら橋」を渡ると「城山(滝山城跡)」経由で北野異人館へ行くことができます。猿のかずら橋から城山(滝山城跡)まで約15分、城山(滝山城跡)から北野異人館まで約15分です。城山(滝山城跡)からは、新神戸への下山ルートや、堂徳山、市章山、錨山経由でビーナスブリッジへ行くこともできます。
布引貯水池上流の分水施設に繋がる車道を北に行けば「市ヶ原」経由で、「大龍寺」、「再度公園」、「摩耶山掬星台」、「森林植物園」へ通じる登山道があります。また、南へ行けば「布引ハーブ園」へ行けます。
「神戸ウォーター」と呼ばれる布引貯水池の水
生田川は、新穂高、摩耶山、高雄山、再度山の水を集めながら布引貯水池を通り神戸港へと注ぎます。
六甲山を源に布引貯水池に蓄えられた神戸の水は、適度なミネラル分を含み、水を腐らせる有機物などの不純物をほとんど含まないという特徴があり、「名水百選」にも選定されています。
不純物を含まない神戸の水は「腐らない水」といわれ、船乗りからは「赤道を越えても水が腐らず、非常に良質でおいしい」と評判を呼び、「神戸ウォーター」として人気を集めたそうです。
不純物を含まない理由は、六甲山の地形と地質にあります。急峻な流れが不純物を水に溶け込ませる時間を与えず、また、多すぎず少なすぎない適度なミネラル分を水に含ませます。さらに、六甲山を形成する花崗岩がその水を適度に濾過するため、神戸の水は「腐らない水」と言われているそうです。
2017年には、NHK総合テレビでタモリさんが全国各地を歩き、その街の歴史やエピソードを語る番組「ブラタモリ」で神戸ウォーターが紹介されました。
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布引ダム(布引五本松堰堤)のライトアップ夜景
布引ハーブ園へは、歩いて行くこともできます。新神戸駅の裏にある登山道から、布引の滝、みはらし展望台を経由して、徒歩で30分から40分ほどです。
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