霧ヶ滝

前回まで新温泉町にある扇ノ山と上山高原の滝をいくつか紹介してきました。

このあたりの滝で忘れてはならないのが、但馬三名瀑の一つ「霧ヶ滝」です。

今回は時間の都合で訪れる事ができませんでしたが、以前撮影した写真があるので紹介します。霧ヶ滝の写真は10年以上前、紅葉のときに訪れたものです。

霧ヶ滝
霧ヶ滝

霧ヶ滝は、標高1310mの扇ノ山を源に流れる渓流に架かる高さ64m、幅45mの滝で、霧ヶ滝渓谷で最大の滝です。落水は途中で飛散し霧状となるためこの名が付いたといわれています。

霧ヶ滝渓谷には大小いくつのも滝があり、霧ヶ滝、青滝、赤滝、ふきだしの滝(赤滝噴水)など、見どころの多い渓谷です。

霧ヶ滝渓谷は、遡上していくと霧ヶ滝の手前で2つの渓谷に分かれます。南側の渓谷を進むと霧ヶ滝、北側の渓谷を進むと赤滝、ふきだしの滝(赤滝噴水)があります。

以前は、赤滝まで登山道が整備されていたのですが、現在は崩落していて赤滝へ行くことができません。

登山口から霧ヶ滝までは片道約2400m。山歩きに慣れたペースの早い方だと休息無しで1時間、ゆっくり歩いて約1.5時間の距離です。見どころ満載のルートなので、新緑や紅葉の時期には写真を撮りながらだと2時間ぐらいはかかるかも?

滑落して谷底まで転落するようなな区間、登山道が荒れていて歩きにくいゴロゴロとした岩場の区間、崩落して何度もかけ替えられている細い丸太橋、人の背丈以上もある大きな岩を乗り越えていくような区間があり、とにかく険しい登山道が続きます。

天滝のように軽装で歩けるところではありません。梅雨時や雨上がりなど水量の多い時には足元が濡れる場合もあります。

降水や積雪の多い地域なので、そのたびに登山道が荒れていくような感じです。都度整備されていますが、通行止めとなることもありますので、出発前に登山道の状態を確認したほうがいいと思います。

霧ヶ滝
場所:兵庫県美方郡新温泉町岸田
地図:霧ヶ滝の地図
地形図:霧ヶ滝の地形図

霧ヶ滝の写真

霧ヶ滝の駐車場
新しく整備された霧ヶ滝の駐車場 ※この写真は今年6月に撮影したものです。これ以降の写真は10年以上昔に撮影したものになります。
霧ヶ滝への登山道入り口
霧ヶ滝への登山道入り口

ここから霧ヶ滝渓谷沿いに2400m登った場所に霧ヶ滝があります。

霧ヶ滝渓谷・魚止めの滝
霧ヶ滝渓谷・魚止めの滝
霧ヶ滝渓谷
霧ヶ滝渓谷
霧ヶ滝渓谷
霧ヶ滝渓谷

何度もこのような場所を渡ります。水量が多いときには足元は確実に濡れます。

霧ヶ滝渓谷
霧ヶ滝渓谷

水があるのかないのかわからないくらいの透明度。

霧ヶ滝渓谷に架かる鉄橋
霧ヶ滝渓谷に架かる鉄橋

霧ヶ滝渓谷にはこのような鉄橋が4つほどありますが、どれも崩落寸前で渡るのは危険です。今は丸太橋やはしごがかけられているようです。

霧ヶ滝渓谷の鉄橋
霧ヶ滝渓谷の鉄橋

登山口から1km以上も奥地にあるこのような秘境に立派な鉄橋がかけられているのはあまり見たことがありません。橋脚も鉄筋コンクリート製です。たいていは、現地調達できる木材を使った簡易的な橋が多いです。昔は天滝のようなきれいな登山道が整備されていたのかもしれません。

過去にこのあたりには畑ヶ平森林鉄道や霧ヶ滝森林鉄道が近くを通っていたという情報があります。霧ヶ滝渓谷の右岸の崖の上を通っていたそうです。

また、ここから更に奥に進んだところに炭焼き窯の跡があり、青滝から下流へ200mほど下った場所から崖上の霧ヶ滝森林鉄道へ通じる道もあったことから、当時このあたりは、登山道としてではなく、林業のための作業道として作られたものかも知れません。もしかして集落があったとか?(しらんけど!)

霧ヶ滝渓谷
霧ヶ滝渓谷
霧ヶ滝渓谷・絹糸の滝
霧ヶ滝渓谷・絹糸の滝
霧ヶ滝渓谷に架かる滝
霧ヶ滝渓谷に架かる滝

霧ヶ滝渓谷には高さ1mにも満たない滝がたくさんあります。(これを滝と呼ぶのかは知りません!)

霧ヶ滝渓谷
霧ヶ滝渓谷
霧ヶ滝
霧ヶ滝

登山道入り口から2400m、およそ1時間30分で霧ヶ滝に到着。ここから振り返ると登ってきた渓流の左岸から支流が合流しています。

この支流を登ると赤滝があります。登り始めてすぐに赤滝への案内板がありますが、登山道は崩落していて、当時は通行できませんでした。現在も通行止めは続いているようです。

また、霧ケ滝から300mほど下った右岸には青滝に続く沢があります。青滝は3つの滝があるそうですが、滝への道も殆どないに等しく険しいため、上級者向けコースになります。

霧ヶ滝から赤滝方面の支流
霧ヶ滝から赤滝方面の支流を下流から撮影
霧ヶ滝渓谷 赤滝 800m
「霧ヶ滝渓谷 赤滝 800m」と書かれた案内板

赤滝方面へ登り始めると左岸に「赤滝まで800m」と書かれた登山道の案内板がありますが、登山道は崩落していて存在しません。藪の中を進むこともできますが、踏み跡すらないので渓流沿いに岩場をよじ登りながら先を進んでいくと、20分ほどで小さな滝に行き着きます。

ふきだしの滝(赤滝噴水)
霧ヶ滝から約20分で小さな滝に到着。

更に岩場を進むと滝壺まで行くことができます。これがふきだしの滝(赤滝噴水)なのかはわかりませんが、通常のハイカーはここまでです。ここから先にある赤滝へ進むにはそれなりの覚悟が必要になります。左岸の崖を登ると昔の登山道らしき踏み跡があるそうです。

ふきだしの滝(赤滝噴水)
ふきだしの滝(赤滝噴水)なのかな?

この滝の上流に赤滝があります。登山初心者はここまでです。滑りやすい岩壁とぬかるんだ斜面は、これ以上進むと滑落のおそれがあります。

霧ヶ滝の登山口と上山高原には霧ヶ滝周辺の地図が設置してあり、霧ヶ滝登山道入り口から赤滝まで3200mと記されており、ルートも書かれていました。また、そのすぐ近くには「赤滝へは通行止め」と書かれた看板が1994年に設置されています。なので、1994年以前は赤滝への登山道がいくつか通じていたと推測できます。

霧ヶ滝周辺の地図
霧ヶ滝周辺の地図
霧ヶ滝周辺の地図
霧ヶ滝周辺の地図

ネットの情報では、ふきだしの滝(赤滝噴水)から少し下った左岸の崖を少し登ると残置ロープがあり、上には僅かな踏み跡があるそうです。踏み跡があるということはそれなりに登る方がいるということでしょう。

本当は行きたかったのですが、このときの時間は16:00を過ぎています。ここまで来てしまうと、まっすぐ下山しても登山口まで1時間30分以上かかります。

新温泉町の11月の日没は17:00過ぎです。空が明るくても山の中では真っ暗になります。真っ暗になっても渓谷沿いに下れば迷うことはありませんが、正しいルートを通らなければ高確率で怪我をします。

当時は、北近畿豊岡自動車道と山陰近畿自動車道がなかったので、但馬地方の山を登り始めるのは午後になってからでした。

なので、但馬の山に登るときにはヘッドライトと懐中電灯を持参していますが、ここは明るくてもルートを見定めにくい場所です。真っ暗になると、なおのこと正しいルートを進むことが困難になります。すでにあたりは暗くなり始めており、これ以上の滞在は遭難の危険があるので下山することにします。

霧ヶ滝の登山道入り口には、滑落死亡事故が何件か発生したという看板があります。文面からすると、霧ヶ滝と赤滝の滝口から転落したようです。

ロッククライミングさながら霧ヶ滝や赤滝の崖を登っていたとは思えませんが、上山高原と畑ヶ平高原周辺の林道やハイキングコースの途中から霧ヶ滝や赤滝、青滝への滝口へ向かうルートも過去には存在していたようです。おそらくは、上流からそれらの滝へ向かっていたのではないかと思います。

また、近くには畑ヶ平森林鉄道や霧ヶ滝森林鉄道の痕跡があり、青滝の滝口へ行くことができるらしいのですが、それらを辿っていて転落したのかも知れません。

地形図を見れば霧ヶ滝、赤滝、青滝の滝口を結ぶ登山道があるのが確認できます。ネットで検索すると、霧ヶ滝の上流部から霧ヶ滝森林鉄道や滝口へアクセスしたという情報を拾うことができます。

殆どは廃道となっていて、ところどころ崩落して危険な場所もあるようですが、それでも、廃線マニア、廃道マニア、隧道マニア、滝マニアなど様々な方面のマニアの方が訪れているようです。登山の経験とスキルがなければ踏破できない危険なルートのようです。

踏み跡のないルートを進んでいくと、いきなり崖に出くわすことがあります。映画なんかでよくありますよね。ジャングルの中を走って逃げているといきなり目の前が開けて崖から転落するシーンが。

ルートが不明確な場合には細心の注意が必要です。特に上流から滝を目指す場合には危険度が増します。また、沢崩れなどの崩落した場所は、一見、渡れそうに見えても滑り落ちると止まらなくなります。もちろんクマとの遭遇にも注意しなければなりません。

こうやって記事を書いているとまた行きたくなりました。今は新緑のシーズンです。秘境の滝は魅力があります。

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