今年の「イカナゴのシンコ漁の解禁日」は2月26日(月)です。神戸市漁業協同組合では3月17日(土)で今年のイカナゴ漁を終了する予定です。
イカナゴ漁は、兵庫県の神戸、播磨、淡路島の春の風物詩として地元に定着し、特に「垂水漁港のイカナゴ漁」は、残したい日本の音100選にも選ばれています。イカナゴのシンコはくぎ煮(佃煮)に調理され、ご当地グルメとして人気があります。イカナゴまつりやイカナゴのくぎ煮コンテストなど各地でイカナゴイベントが開催されます。
今年の「イカナゴのシンコ漁の解禁日」は2月26日(月)です。
兵庫県水産課では、成育は順調で、解禁時期は昨年より9日早く、例年並みと発表しています。シンコ漁の期間は未定ですが、例年では、3月中旬頃に終漁となります。
イカナゴ漁の解禁は、例年、2月中旬~2月下旬頃です。
イカナゴの解禁日は、兵庫県と大阪府の水産研究機関によって、12月から2月の間に数回の調査が行われ、イカナゴの成長状況、産卵状況、分布状況などを調査し、漁業者と協議の上、試験操業を経て、「イカナゴのシンコ漁の解禁日」を決めています。
2017年の解禁日は、イカナゴの生育が遅れたため、「3月7日」という記録的な遅さでした。
兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センターが、2018年1月29日に「平成30年漁期イカナゴ稚仔分布調査結果」を報告しています。
調査結果によると、播磨灘、紀伊水道ともに、生育数は平年の1/10以下、不漁だった昨年と同程度となっています。大阪湾での調査のみ平年の約1/4、昨年の2.5倍となっています。
昨年は、記録的な不漁で、価格が高騰しましたが、今年の調査結果は昨年を上回っていますが、その差はごくわずかです。
昨年は、イカナゴの価格は、とても高かったのですが現時点では、今年も価格の高騰が予想されます。
兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センターでは、2月中旬頃、「平成30年漁期イカナゴシンコ漁況予報」を発表する予定になっています。
2月14日に発表された「平成30年漁期イカナゴシンコ(新子)漁況予報」によると、1才魚は平年の1/13、2才魚は平年の1/70、全体では1/16で、昨年並みの不漁になると予想されています。
イカナゴのシンコ漁が2月26日に始まりました。気になる価格は例年の2倍、昨年の1/2~2/3ほどです。魚の棚商店街では、朝一番の初値が2500円前後でしたが、夕方には1800円~2000円前後になっています。内陸の北播磨では2500円~2800円前後の値がついているようです。
初日のシンコの大きさは3cm~4cmぐらいで、例年よりやや大きめとなっています。シンコの成長は早いので、小さめのイカナゴが好きな方は早めに購入した方がいいかもしれません。
イカナゴの価格は、解禁直後が一番高くなります。
いわゆる「ご祝儀価格」のようなものとは違い、イカナゴの場合、体調が4cm未満のものが、くぎ煮に向いているとされ、高値で取引されています。
イカナゴのシンコの価格は、サイズが小さいほど高くなります。
つまり、解禁直後のイカナゴが最も高く、イカナゴの成長とともに価格が下がっていきます。
この時期のイカナゴの成長は早く、解禁直後は1.5cm~3cmぐらいのものが、1ヶ月後には5cmを超えます。
イカナゴは、4cmを超えると、普通の小魚の佃煮のようになってしまうため価格が下がり、さらに大きなものは、釣りのえさに使われるほどにまで価格が下がります。
好みにもよりますが、柔らかくておいしいイカナゴのくぎ煮を作るには、解禁直後の3cm未満の大きさのものが向いています。
2017年のイカナゴの価格は高値更新!
2017年の解禁直後の価格は、魚の棚商店街では1kg 3500円で、過去最高値を更新しました。スーパーでは1kg 4,000円前後の値段がついているとの報告もありました。ちなみに、相生市の道の駅「あいおい白龍城」では、1kg 1,800円前後で販売されていたようです。
神戸や播磨地方に住んでいる方は、2月になると気になるのが「イカナゴのシンコ漁の解禁日」ですね。私も毎年楽しみにしています。
イカナゴの解禁日は、兵庫県と大阪府の水産研究機関が、イカナゴの成長状況、産卵状況、分布状況などを調査し、漁業者と協議の上、試験操業を経て、「イカナゴのシンコ漁の解禁日」を決めています。
イカナゴは12月~1月に産卵し、卵は約2週間で孵化します。
兵庫県と大阪府の水産研究機関が、12月頃、イカナゴの親魚や卵を採取し親魚の量、産卵時期、産卵量などを調査します。そして、1月下旬頃、プランクトンネットを使って、生まれたばかりのイカナゴの稚魚(シンコ)を採取し、生育状況や大きさ、分布状況を調査します。
イカナゴの親魚とイカナゴの稚魚の調査結果、さらに、その年の気象や海象を考慮しながら、その年の漁獲量やサイズなどを予想した「シンコの成長予測」と「漁況予報」を2月上旬頃に発表します。
漁況予報が発表されると、水産研究機関と漁業者による網おろし検討委員会が、2月中旬頃開催され、漁況予報などを元に、イカナゴの試験操業の日程を決めます。
2月中旬頃に行われるイカナゴの試験操業では、シンコのサイズや漁獲量を確認し、網おろし検討委員会によって、イカナゴ漁の解禁日(網おろし)が決められます。
例年、2月下旬頃が解禁日になります。気温や水温が高いと遅め、低いと早くなります。イカナゴのシンコ漁は、解禁から1ヶ月ほど行われます。
大きなニュースにもならず、いつの間にか店頭に並んでいるイカナゴのフルセ。あまり人気もなく、流通量も少ないので、人知れず販売されています。でも、釜揚げ、天ぷら、フライ、南蛮漬けなど、調理方法のレパートリーはシンコよりも豊富。
イカナゴのフルセ漁は、1月下旬から2月上旬頃、親魚が産卵を終えたことを確認してから行われます。店頭にフルセが並ぶのは2月上旬から中旬頃になります。フルセの大きさは15cm前後です。
瀬戸内海では、イカナゴの成魚は、水温が18℃を超えると夏眠します。水温が18℃以上になるのは、6月頃から11月頃で、この間は、海底の砂地に潜り込んでいます。
12月になって、水温が下がり始めると、イカナゴの親魚は泳ぎ始め、12月下旬から翌年の1月にかけて産卵します。イカナゴのフルセ漁は、産卵の終わった親魚を獲ります。
昔は、産卵前のイカナゴを獲っていたそうです。産卵前の親魚は、シシャモのようにおなかに卵が詰まっており、とてもおいしいのだとか?
最近では、資源保護のため、産卵前の親魚の漁は禁止されています。
イカナゴはスズキ目イカナゴ科の魚で、日本各地の沿岸部に生息しています。
成魚の体長は、地域によって異なりますが、15~25cmほど。体は円筒形で細長く腹びれがありません。イカナゴには歯が無いため、浮遊性の甲殻類などの動物性プランクトンを主食としています。
イカナゴの寿命は、生育環境によって異なり、瀬戸内海では4年前後、北海道などの寒冷地では6年以上といわれています。イカナゴは、生まれてから1年で産卵し、1度の産卵で2000~3000個の卵を産みます。
孵化したイカナゴは、「シンコ」と呼ばれ、見た目は、「いわしの稚魚・シラス」に似ています。
イカナゴは、仔魚(しぎょ)、稚魚(ちぎょ)を経て、2ヶ月ほどで幼魚となり、ふ化後数ヶ月で数㎝まで成長します。この頃にイカナゴのシンコ漁が行われ、瀬戸内海の沿岸部では、このシンコが佃煮に調理されて「イカナゴのくぎ煮」として食卓に並びます。
イカナゴの成長は早く、ふ化後3ヶ月~4ヶ月で5cmを超え、1年で10cm程度まで成長します。2年で12cm~15cmほどにまで成長し、2年を超えると、大きいものでは15~20cmほどになります。
イカナゴの名前の由来は、名前の「カナ」が糸という古語に由来し、「糸のように細長い魚」と言う意味があります。
また、何の魚の子か判らなかったことから「いかなる魚の子なりや」というところから、イカナゴと呼ばれるようになったとする説もあります。
イカナゴは水面を長い群(玉)になって泳ぐ性質があり、そのため漢字では「玉筋魚」と書きます。イカナゴは地方によって呼び名が異なり、「コウナゴ(小女子)」、「オオナゴ(大女子)」、「カナギ」、「カマスゴ」などと呼ばれています。
また、当歳魚を「シンコ(新子)」、2歳魚以降を「フルセ (古背)」と呼びます。
イカナゴのくぎ煮は、神戸が発祥といわれていますが、いわゆる、小魚の佃煮なので、似たようなものは日本全国にあります。
イカナゴのくぎ煮と呼ばれるようになったのは、炊きあがったイカナゴの姿が、「折れ曲がった古くてさびた釘」に煮ていることから、そう呼ばれるようになったと言われています。
イカナゴのくぎ煮は神戸名物となっており、兵庫県の播磨・明石、神戸・垂水、淡路島北部の地方では、各家庭でイカナゴのくぎ煮を作ります。
イカナゴのくぎ煮は、基本的に醤油、砂糖(ザラメ)、みりん、生姜を使って甘辛く味付けしますが、各家庭によって味付けが異なり、鰹と昆布のだし汁、酒、山椒、水飴、ゴマなどを追加したり、さらにレモンやハッサクなどの柑橘類を入れたり、最近ではピリ辛のクギ煮と称して鷹の爪を加える事も多くなったそうです。伝統の味も時代の流れに乗りそれぞれに進化し各家庭の味の特徴を出しているようです。
おいしいイカナゴのくぎ煮を作るには、できるだけ鮮度の良いイカナゴのシンコを使います。
まず、その日の朝に獲れたばかりの新鮮のいいイカナゴを買うために、午前中のできるだけ早い時間に買いに行きます。店頭では、水揚げされたイカナゴが店先に並ぶのを待ちます。
垂水区周辺では、神戸市漁業協同組合のある垂水漁港か、明石の魚の棚商店街が、安くて鮮度のいいものが手に入ります。
イカナゴ漁は、夜明け前から始まり、午前10時頃には終わります。獲れたての鮮度のいいものを手に入れるには、漁が終わるまでに店頭へ出向く必要があります。
家に着いたら、「休憩するまもなく、くぎ煮作り!」 ここがポイントです。
イカナゴは、鮮度が命!
水揚げされた瞬間から時間とともに鮮度が落ちていきます。「鮮度の良いものを買ってきて、すぐに、調理する」ことが、おいしいイカナゴのくぎ煮を作る最大のポイントです。
イカナゴ漁は資源保護のため日曜日を休漁日と定めていますので、イカナゴのシンコは日曜日以外の日に店頭に並びます。
スーパーなどでは、夕方になると半額になったりもしますが、かなり鮮度が落ちています。
鮮度の落ちたものは、くぎ煮のような佃煮にすると、身が崩れやすくなります。鮮度の悪いものは、釜揚げやかき揚げなど、加熱調理して、食べきってしまう方がいいと思います。
鮮度の善し悪しを見分けるのは、イカナゴの透明度。イカナゴは鮮度のいいものは、透明感があります。鮮度が落ちるほど、体が白く濁ってきます。
イカナゴのシンコ漁が解禁になる3月上旬は、神戸、播磨、淡路島の各地で「イカナゴまつり」、「イカナゴのくぎ煮教室」、「イカナゴの料理教室」などのイベントが各地で開催されます。
例年2月下旬までに解禁になるのですが、今年はかなり遅い解禁になりましたが、垂水や明石などではイカナゴ関連のイベントが開催されます。
垂水区では「神戸垂水イカナゴ祭」、神戸市立水産会館や垂水勤労市民センターでは、「イカナゴくぎ煮講習会」や「イカナゴ料理教室」、マリンピア神戸 さかなの学校でもイカナゴのくぎ煮教室が開催されます。
イベントには参加費用や事前の申込が必要なものがあります。詳しくは下記のWEBサイトをご覧ください。
神戸市垂水区
神戸・垂水いかなご祭
明石魚の棚商店街、あかし市民広場周辺で「明石春旬祭」が開催され、イカナゴのくぎ煮コンテストも行われます。
イカナゴのシンコ漁が解禁になると、漁船がたくさん漁に出ます。航路の幅の狭い明石海峡では、複数の巡視船が警戒しています。イカナゴを運ぶ漁船の周りにはカモメが群がります。
上がフルセのくぎ煮、下がシンコのくぎ煮